
朝、何度声をかけても布団にくるまったまま動かない背中。
その姿を見るたびに、
「このままじゃ高校に行けないのでは」
と、ひとりスマホを握りしめて焦ってしまいますよね。
不登校の期間が長引くほど、内申点や勉強の遅れが気になり、不安は大きくなるばかりだと思います。
でも、大丈夫です。今すぐ無理に学校へ行かせなくても、正しい制度の知識があれば、高校受験への選択肢はしっかりと残せます。
この記事では、元教育系編集者であり、自身も中2の息子の不登校で絶望を味わった私が、ご主人とも冷静に話し合えるよう、客観的なデータに基づいて事実を整理しました。
今は無理に全部読まなくても大丈夫です。まずは以下の要約だけをチェックして、ご自身の心が少し落ち着いている時に、ゆっくりと必要な部分だけ読んでみてくださいね。
- 公立高校の現実(出席日数と内申点の壁)
- 学年別(中1〜中3)で親が今やるべき準備
- 勉強の遅れを取り戻す「学び直し」の順番
- いざという時の「安全網(通信制)」の作り方
1. 不登校でも公立高校は受験可能!ただし「出席日数」と「内申点」の壁あり

結論から言うと、不登校の中学生でも公立高校を受験することは可能です。
しかし、ネット上の「誰でも行ける」という言葉を鵜呑みにしてはいけません。
公立の全日制高校においては、当日のテストだけでなく、以下の2点が厳しく見られるのが現実です。
公立の合否判定:「欠席日数」の多さと「調査書(内申点)」の少なさは不利になる
中学校から高校へ提出される「調査書(内申点)」と「欠席日数」は、合否に大きく影響します。
各都道府県の教育委員会の規定により、具体的には以下のような壁が存在します。
- 欠席日数の壁:
年間30日以上の欠席で「審議の対象」になる自治体が多い - 内申点の壁:
テストを受けられず「1」や「斜線」がつくと不利に働く
このシビアな現実は、親御さんが今後の対策を練り、ご家族を守るために知っておくべき大切な事実です。
内申点が「オール1・斜線」でも受験は可能だが「審議の対象」として扱われる
成績表に「斜線(評価不能)」がつく状態でも、公立高校に出願自体は可能です。
しかし、多くの場合「審議の対象」となります。
これは一律で不合格になるわけではなく、高校側から以下のような点が審査されるということです。
- なぜ欠席が多いのか(正当な理由があるか)
- 高校入学後、継続して通い続けられる見込みはあるか
「審議=不合格」と絶望しなくて大丈夫ですよ。今後の対応でカバーしていく方法は存在します。
「それでも、少しでも内申点をカバーしてあげたい」とお考えの場合は、以下の記事に具体的な計算方法や対策をまとめています。
動けそうな時だけ、参考にしてみてくださいね。
制度のお話ばかりで、少し疲れてしまいましたよね。
もしお時間があれば、私が焦って息子にドリルを投げつけて壁に穴が開いた時の、大失敗の話でも読んで、少しだけ息を抜いてくださいね。
2. 中学生の学年別(中1・中2・中3)で違う高校受験への影響と親の心構え
不登校が高校受験に与える影響は、中学生の学年によって大きく変わります。
ご自身の状況に合わせて、今の立ち位置と心構えを確認しておきましょう。
【表】学年別・高校受験への影響と対策
| 学年 | 親御さんの陥りやすい心理 | 今、親御さんが確認しておくべきこと |
|---|---|---|
| 中学1年生 | 焦って登校刺激を与えがちになる | 内申点はまだ直結しにくい自治体が多い。まずは無理な登校を避け、心身の回復を最優先する。 |
| 中学2年生 | 「まだ義務教育」という安心感と「受験生になる」焦りが混在 | 【最重要】中3での絶望を防ぐため、今のうちに通信制などの「安全網(選択肢)」を知っておく。 |
| 中学3年生 | 受験が目前に迫り、一番パニックになりやすい | 志望校の「不登校枠」の有無や、内申点を重視しない私立・通信制の条件を急いで整理する。 |
中2の秋は、義務教育の安心と受験のプレッシャーが入り混じる一番苦しい時期です。
親御さんの心に余裕のカードがあれば、子どもにも優しく接することができますよ。
3. 勉強の遅れと内申点はカバー可能!今からできる「学び直し」と「出席扱い」

真っ白なノートや手つかずのドリルを見ると、胸が締め付けられますよね。
でも、勉強の遅れも内申点も、今からカバーする現実的な方法はあります。
学び直し:同級生に追いつこうと焦らず「つまずいた学年」から戻るのが正解

一番やってはいけないのは、いきなり中学生の今の範囲をやらせることです。
不登校の子どもは基礎が抜け落ちているため、分からない問題を前にすると、さらに自信を失ってしまいます。
- 勇気を出して、つまずいた所(小学校の範囲など)まで戻る
- 急がば回れで、基礎からやり直すことが一番の近道
- 不登校の子のペースに合わせてくれるプロ(家庭教師やオンライン教材など)を頼る
「どうやって勉強の遅れを取り戻せばいいの?」と迷われた方は、以下の記事で具体的な手順を解説しています。
焦らず、少しずつ進めていきましょう。
⇒不登校の「勉強の遅れ」を取り戻す学び直し手順。親が焦ってはいけない3つの理由
出席扱い制度:自宅のICT教材やフリースクールで欠席日数をカバーできる

文部科学省が定めた「出席扱い制度」を活用すれば、学校に行かなくても、欠席日数を減らし内申点をカバーできる可能性があります。
ただし、以下の現実もあらかじめ知っておいてくださいね。
- フリースクールや、指定のICT教材での自宅学習が対象
- 学校の校長先生の許可が必要
- 担任の先生との交渉など、親御さんの負担はゼロではない
「親の負担はあっても、出席扱い制度に挑戦してみたい」という場合は、以下の記事に担任の先生との具体的な交渉ステップをまとめています。
⇒自宅学習で「出席扱い」は正直厳しい?ICT教材の高い壁と学校との交渉術
【逃げ道】今は登校も勉強も無理なら「自己申告書」で理由を伝える公的救済措置へ
ここまで学び直しや出席扱いについてお話ししましたが、お子さんが疲れ切っていて、今は勉強どころではないなら、何もしなくて大丈夫です。
かつての私のように、焦って無理に動かすと、かえって状態が悪化してしまいます。
「自己申告書」という公的救済措置
公立高校を受験する際、欠席の理由や今の状況を伝える制度です。不登校の事情を高校側に考慮してもらえるため、今は難しければ「こういう制度もあるんだな」と知っておくだけで十分ですよ。
「どうしても公立への未練が捨てきれない」と悩むお母さんは、以下の記事で自己申告書の書き方や特例校について読んでみてくださいね。
⇒不登校でも行ける公立高校(特例校・不登校枠)の探し方と「自己申告書」の書き方
4. 全日制以外の選択肢:中学生の親が「確認だけ」しておきたい通信制高校

「公立の全日制に行けない=人生のドロップアウト」ではありません。
親御さんが他の選択肢を知ることで、家庭内の空気は驚くほど軽くなります。
全日制・通信制・定時制の違いと、パンフレットには載らないリアルな学費比較
高校には、全日制の他に「定時制」や「通信制」があります。
特に通信制高校は不登校を経験した生徒の受け皿として大きく広がっています。
パンフレットには載りにくい「リアルな学費」も事前に確認が必要です。
【表】高校の種類別:特徴とリアルな学費比較
| 高校の種類 | 学習・通学のペース | 学費の目安(※隠れた教育費に注意) |
|---|---|---|
| 全日制公立高校 | 毎日通学・集団授業 | 年間 約10万〜20万円 |
| 公立の通信制高校 | 自宅学習中心・たまにスクーリング | 年間 数万円程度 |
| 私立の通信制高校 | コースにより週1〜週5通学など柔軟 | 年間 50万〜100万円以上かかることも |
通信制高校=諦めではなく、親の心を守る「いざという時の安全網(お守り)」
「通信制を調べるなんて、普通の子育てを諦めるみたいで辛い」
そう感じる親御さんも多いと思います。私も当時はそうでした。
でも、これはお子さんの進路を今すぐ決めるための行動ではありません。
「最悪、今の学校に行けなくても大丈夫な場所がある」
という、親御さん自身の心を守るためのお守り(安全網)を作るための行動なのです。
「それでも、資料を取り寄せるのは少し不安……」という方のために、よくある疑問をまとめました。
【資料請求に関するよくあるご質問】
プライバシーに配慮し、学校名が目立たない「無地の封筒」で届くことがほとんどです(通常3〜7日程度)。ポストからサッと回収して、親御さんだけがこっそり目を通すことができます。
基本的に、強引な電話勧誘が来ることはありません。心配な場合は、申し込みの備考欄などに「電話連絡はご遠慮ください。メールを希望します」と添えておくとさらに安心です。
もちろんです。「いざという時の選択肢」をお母さんの手元に置いておくための行動ですから、今すぐ決断する必要は全くありません。
※資料が届いても、焦ってお子さんに見せる必要は一切ありません。
無地の封筒で届くので、まずはご自身の心が少し落ち着いている時に、親御さんご自身でそっと目を通すだけで十分です。
「いざとなれば、うちの子でも行ける場所があるんだ」
と知っておくだけで、お子さんと向き合うときの不安やプレッシャーが少しだけ軽くなりますよ。
⇒「通信制=人生終わり」じゃない。いざという時の「安全網」の作り方とリアルな学費
5. まとめ:今すぐ高校受験の進路を決めなくても、子どもへの選択肢は残せる
不登校の中学生を持つ親御さんは、毎日ギリギリの精神状態で戦っています。
公立高校の出席日数や内申点の壁は確かに存在しますが、決して道が閉ざされたわけではありません。
出席扱い制度を利用したり、通信制高校という別の選択肢を持っておくことで、未来は開けます。
「今すぐ決めること」と「確認しておくこと」を分けて、少しずつ準備を進めましょう。
この記事のデータが、親御さんとご家族を守る盾になれば幸いです。
ご主人とお話しする際は、「ネットでこんな記事を見つけたんだけど」と、以下のまとめをそっと見せてあげてくださいね。
- 公立高校の現実:
文部科学省の基準により、欠席日数が多い(年間30日以上等)と「審議の対象」となり、全日制公立高校の合格は厳しくなるのが事実です。 - 必要なサポート:
今の学年ではなく、「つまずいた学年」まで戻る基礎からの学び直しが不可欠です。焦りは禁物です。 - 今後の選択肢:
全日制だけでなく、いざという時の安全網として「通信制高校」の情報を親が事前に把握しておくことが、子どものプレッシャー軽減に繋がります。
【参考資料リンク集】
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文部科学省:不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)
-
文部科学省:高等学校入学者選抜について
-
千葉県教育委員会:入学者選抜実施要項(※お住まいの自治体のHPをご確認ください)







