不登校でも私立高校を受験できる?推薦・一般入試と個別相談

不登校でも、私立高校を受験候補にできるのか?

欠席日数や内申点が気になっても、不登校だったという事情だけで私立高校を一律に候補から外す必要はありません。

ただし、学校・コース・入試方式によって出願条件は異なります。

一つの入試方式の条件に合わなくても、その高校のすべての方式に出願できないとは限りません。

まずは候補校の対象年度の募集要項や入試情報を確認します。

この記事では、募集要項で見るポイントや、個別相談・中学校への確認が必要になる場合を整理します。

受験できることと、入学後に通学や学習を続けやすいことも分けて考えます。

不登校でも私立高校は受験候補になる

不登校だったという事情だけで、私立高校を受験候補から外す必要はありません。

文部科学省の「高等学校入学資格について」では、高校の入学資格として中学校を卒業した者などが示されており、不登校歴や欠席日数は資格要件として挙げられていません。

ただし、これは「どの私立高校にも同じ条件で出願できる」「欠席日数が選抜に関係しない」ということではありません。高校の入学資格と、各私立高校が学校・コース・入試方式ごとに決めている出願条件は別です。

「不登校だから私立高校は無理」と、この段階で決める必要はありません。候補に残したうえで、志望校の対象年度の学校公式の募集要項・入試要項を見て、自分が検討しているコースや入試方式の条件を確認します。

私立高校は学校・コース・入試方式で条件が異なる

候補に残した後は、「私立高校」という大きなくくりで見るのではなく、学校、コース、入試方式ごとに条件を確認します。

同じ学校でも、入試区分やコースが変われば、出願資格や選抜方法まで同じとは限りません。

たとえば日本大学豊山高等学校の2027年度募集要項では、推薦入試と一般入試が分かれ、一般入試の中にも「学業」「スポーツコース」「併願優遇」という区分があります。

対象となるコースも同じではありません。あくまで同校の2027年度入試の例で、他校でも同じ区分が使われているわけではありません。

この時点で入試方式を一つに絞る必要はありません。まず志望校の対象年度の学校公式募集要項を開き、検討する可能性のあるコースや入試区分がどこに書かれているかを見ます。その後、それぞれの出願条件を確認していきます。

募集要項で確認すること

私立高校の条件を調べるときは、対象年度の学校公式の募集要項・入試要項を基準にします。

学校によっては、正式な募集要項より先に、対象年度の入試概要や推薦基準などが公表されることがあります。その場合は、現在公表されている対象年度の公式資料で確認し、正式な募集要項が公開された後に改めて内容を確認します。

また、推薦基準や入試概要などが募集要項とは別の資料として公表されている学校もあります。学校公式サイトから案内されている関連資料があれば、同じ年度のものをあわせて確認します。

まず出願資格を見て、その後、推薦・単願・専願・併願などの条件や、評定・内申基準、欠席日数を確認すると分かりやすいです。

出願資格

「出願資格」「応募資格」「受験資格」などの欄を見て、自分が考えている入試区分に出願できる条件を確認します。

たとえば明治学院東村山高等学校の2027年度入試概要では、一般入試は2027年3月の中学校卒業見込みなどが出願資格とされています。

推薦入試では、それに加えて、本校を第一志望とすること、中学校長の推薦を受けること、内申点や欠席日数の基準を満たすことなどが条件です。同じ学校でも、入試区分が違えば出願資格も変わります。

募集要項や入試概要を読んでも、自分が条件に当てはまるか分からないときは、その入試区分について学校公式サイトが案内している確認先を見ます。

推薦・単願・専願・併願の条件

「推薦」「単願」「専願」「併願」「併願優遇」といった名称だけを見て、全国で同じ仕組みだと考えない方がよいです。

その学校では第一志望であることが条件なのか、他校と併願できるのか、合格した場合に入学することが条件なのか。該当する入試区分の説明を読んで確認します。

たとえば東洋大学京北高等学校の2027年度入試では「単願推薦A・B」と「併願優遇A・B」が公表されています。

四日市メリノール学院高等学校の2027年度募集要項では「育成(専願・併願)」「推薦」「一般」があり、専願で合格した場合は確約書を提出して入学する条件が示されています。

同じような言葉が使われていても、その位置づけや条件は学校によって違います。名称だけでは決めず、対象年度の学校公式資料で、希望する入試区分に何が求められているのかを確認します。

内申点や欠席日数

内申点や欠席日数は、数値だけを見るのではなく、「どの入試区分の条件なのか」「どの学年や時期の記録を見るのか」まで確認します。

たとえば東洋大学京北高等学校の2027年度推薦・併願優遇基準では、区分ごとに5教科の内申基準が示され、付帯事項として3年次の欠席7日以内とされています。

一方、立教新座高等学校の2027年度推薦入試では、中学校3年間の欠席日数の合計が21日以内であることに加え、中学3年2学期の9教科5段階評定の合計が36以上で、2以下がないことなどが出願資格として示されています。

このように、評定・内申基準や欠席日数は、対象となる入試区分だけでなく、見る学年・期間や基準も学校によって異なります。「欠席が何日なら私立高校を受験できない」という全国共通の基準があるわけではありません。

志望校が、自分の検討している入試区分にどのような条件を設けているかを確認する必要があります。

なお、学校が入試条件として使う欠席日数と、中学校で実際にどう記録されているかは別の話です。

正式な欠席記録や受験で使われる場面は「不登校の高校受験で欠席日数は何日まで?記録と確認方法」、評定や内申点がどのような評価材料から決まるかは「不登校の内申点はどうなる?欠席日数との違いと評価材料」で確認できます。

事前相談・個別相談で確認すること

募集要項を読んだ後、書面だけでは判断できないことがあれば、学校が設けている相談の場で確認します。

「事前相談」「個別相談」「入試相談」などは、どの学校でも同じ手続きを指すわけではありません。学校公式サイトの入試情報や相談会の案内を見て、誰を対象にしているのか、何を相談する場なのか、どのコースや入試区分に関係するのか、出願に必要な手続きなのか任意の相談なのかを確認します。

相談するときは、自分が検討している入試区分について、募集要項に書かれた条件を自分の場合にどう考えればよいか、ほかに必要な確認や書類、手続きがないかを聞きます。

たとえば安田学園高等学校の2027年度入試では、「個別相談」は任意で、参加の有無は出願・受験の可否や合否に影響しないと案内されています。一方、「入試相談」は中学校と高校で行う事前相談と説明されています。

似た名称でも、対象者や役割は違います。志望校の公式案内を見て相談の目的と対象を確認し、自分が考えている入試区分について、出願までに何を確認しておく必要があるのかを見ておきます。

本人が説明会へ行けない場合

本人が学校説明会や個別相談へ行けないからといって、それだけで私立高校を候補から外す必要はありません。

まず、その説明会や相談会が学校を知るためのものなのか、出願に関係する事前登録や面談などの手続きなのかを分けて確認します。

たとえば明治学院東村山高等学校の2027年度推薦入試では、学校説明会とは別に「推薦入試事前登録会」への参加が求められています。事前登録は保護者のみでも受け付けていますが、後日、受験生本人との面談が必要です。

志望校の公式サイトにある募集要項や説明会・相談会の案内を見て、保護者だけで進められる情報収集があるか、本人の参加が必要な面談や手続きがあるか、それがどの入試区分に関係し、いつまでに必要なのかを確認します。

書かれていなければ、学校が案内している問い合わせ先で確かめます。

本人の状態を無視して説明会への参加を急がせるのではなく、親御さんだけで先に進められることと、本人の参加が必要になる段階を分けておくとよいでしょう。

中学校を通して確認した方がよいこと

私立高校の入試では、受験生や親御さんが高校へ直接確認するだけでなく、在籍している中学校を通して進める確認や手続きがある場合があります。

推薦や併願優遇などを検討するときは、志望校、コース、入試区分を担任や中学校の進路担当に伝えます。そのうえで、中学校から高校への入試相談などが必要か、中学校が作成・提出する書類があるか、中学校内でいつまでに受験希望を伝える必要があるかを確認します。

前に触れた安田学園高等学校の2027年度入試では、入試相談(内申)基準等を満たして受験を希望する場合、在籍中学校へ受験の意思を伝えることで、中学校と高校との間で行う「入試相談」を進められると案内されています。

ただし、在籍している中学校の地域や種別によっては、別途案内が必要な場合があります。

高校への直接確認だけで終わらせず、中学校側で必要な確認や提出がないかも見ておきます。担任との進路面談で、受験校や入試制度について具体的に何を聞くかは、「不登校の進路面談で親が担任に聞くこと」で確認できます。

推薦の条件に合わない場合は、別の入試方式も確認する

推薦入試の評定などの出願条件に合わなくても、それだけでその高校全体を候補から外す必要はありません。

同じ学校に一般入試など別の方式があれば、推薦とは違う出願資格が設定されていることがあります。

先ほど例に挙げた日本大学豊山高等学校の2027年度入試でも、推薦入試と一般入試では出願資格が別に定められています。推薦入試では第一志望であることや推薦基準を満たすことなどが条件ですが、一般入試の「学業」には別の出願資格があります。

一つの入試方式の条件に合わないことと、その学校のすべての入試方式に出願できないことは同じではありません。

対象年度の募集要項を見て別の入試方式があるか、その方式ではどのコースが対象で、どのような出願資格になっているかを確認してから、候補に残すかどうかを考えます。

受験できることと入学後に続けやすいことは分けて考える

受験できる入試方式が見つかっても、それで分かるのは出願や受験の条件を満たせるかどうかです。

入学後に本人が通学や学習を続けやすいかは、別に確認する必要があります。

候補に残した学校について、本人の現在の状態や希望も踏まえながら、通学する日数や時間帯、学習の進め方、欠席したときに授業や学習をどう補うのか、単位や進級についてどのような案内があるのかを見ていきます。

まず学校公式サイトの学校生活や教育課程などの案内を確認し、分からないことは学校説明会や学校が案内している問い合わせ先で聞きます。

受験できると分かったからといって、入学後も続けやすいとは限りません。受験条件と、入学後に通学や学習を続けやすい条件は、別々に確認しておく必要があります。

まとめ

不登校だったという事情だけで、私立高校を一律に候補から外す必要はありません。

実際に受験候補にできるかどうかは、学校、コース、入試方式によって条件が違います。対象年度の学校公式の募集要項や入試情報を見て確認します。

書面だけでは分からないことがあれば、相談の名称だけで判断せず、誰を対象に何を確認する場なのかを学校公式の案内で見ます。中学校を通した確認や手続きが必要な入試方式なら、中学校側で何が必要かも確認します。

一つの入試方式の条件に合わなくても、その高校全体を候補から外す必要はありません。別の方式があるか、その出願資格はどうなっているかも確認します。

受験できることと、入学後に通学や学習を続けやすいことも別です。高校受験全体の確認順を見直したいときは、「不登校の中学生でも高校受験はできる?高校進学までに確認したいこと」に戻ると、次に確認する内容を整理できます。

全部を今日決める必要はありません。まずは候補校の対象年度の学校公式入試情報を開き、希望するコースと入試区分の出願条件がどこに書かれているかを確認します。